広島こそだて未来会議とは

広島こそだて未来会議とは

子どもたちの未来を今よりもっと明るくするため、個人・団体・企業・行政の枠を超えた大人全員で社会に望まれる先進的な子育て環境について考えていくことを目的として、広島市安佐南区を中心に活動中。

メンバーは、広島県に在住している子育て中のママやパパ。助産院利用者も多く、「広島ママのみかた」を応援したいとの思いで、企画に賛同。

現在は、新型コロナの影響で子育てにストレスを感じている妊婦や子育てママに対して、気軽に電話するよう促す「まほうのコール」活動を推進中。

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広島こそだて未来会議ホームページ

まほうのコール姉妹活動「まほうのシール」

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広島ママのみかたをご覧になっている方へのメッセージ

広島こそだて未来会議 発起人 津福彩夏

私は2012 年に自宅近所の産婦人科で息子を出産しました。
助産院の存在と役割をちゃんと知ったのは、その4 年後。知れば知るほど「助産院を利用すればよかった!」と思いました。

女性にとって妊娠出産は、からだにとってもこころにとっても一大イベントです。
私は産前産後ほんの些細なことでも心配になり、よくネットで検索していました。中でも参考にしたのは経験談。ネット上には、まだ見ぬ不安さえもあちこちへ転がっていました。

様々な情報を取得することは大切です。
私が何故それを大切だと思うかは、『“正しい知識”のベースを自分の中に作ることでその後入ってくる情報を振り分ける能力を持て
るようになる』からだと考えています。
そんな考えでネット上を彷徨っていた私は、ある日気づきました。

私が探していた“正しい知識”は、そもそも無かったこと!
妊娠・出産・産後のこと・子育てのことは全て、
人によって違って当たり前!赤ちゃんによって違って当たり前!の世界だったのです。

おっぱいがでるのは当たり前じゃない。
赤ちゃんがすやすや眠るのは当たり前じゃない。
成⾧曲線だって、ただの平均値です。
こんなに正解が無いものだと気づくまで私は、ついつい正解を求めてしまっていました。そしてたまにそれで苦しくもなりました。
ネットの情報を拾っただけでは、情報を振り分ける能力を持つためのベース=自分の中の『核』となる考え方を持つことはできない!

子育ての『核』は自分で試行錯誤しながらコツコツとつくっていくしかないものでした。

―――助産院は“経験談の宝庫”です。

私が出産した産婦人科は産後の些細なことまではサポートしてもらいづらかったですが、助産院は個別サポートが手厚いことから家族と赤ちゃんの一番の応援団になってくれる存在なんだろうなと思っています。
たくさんの家族とお母さんと赤ちゃんを見てきた経験則からもらえるアドバイスはきっと、これからの⾧い子育てを楽しく過ごすための『核』をつくるサポートにもなるのではないでしょうか。
単に、応援団(しかもプロ)が側にいてくれるってだけでもかなり心強い!
もちろん、核をつくっていくのはお母さん自身なので、考え方が合わなければ相談先を変えてしまえばいいと思います。それでいいのです。

私は自分自身の核が出来るまではとても時間がかかってしまいましたが、出来てからはとても楽しく子育てやっていけているなと思っています。思考が詰まるときもありますが、その時こそ更新していける気がして、チャンス!と捉えるようにしています。笑
そしてこれからも大切な核を磨き続けるために、どんな情報も突っぱねないようにして取得していきたいです。

広島こそだて未来会議メンバー 岡田真弓

2児とも(3歳6歳)助産院で出産しています。
実際に助産院で出産してみて実感したのは「産前産後に誰に出会うかでその後の人生と子育てが変わる」という事。
産前産後の時間は、自分の力で「産む」ことに注力できるよう助産院はサポートしてくれます。私は、骨盤のケアを含めた妊娠中の体の取り扱い方を教えていただきました。
座り方や立ち上がり、起き上がり方をはじめ、食事や足湯、リラックスする方法についても、こちらが知ろうとする事に真摯に応えてもらい、赤ちゃんを自分で産む、育てる覚悟ができていきました。産後の赤ちゃんの扱い方、身体の整え方についても直後からケアしてくださるため、産後助産院にいるだけで、日常に戻る準備が出来ていきます。
日本のお母さんたちは、産後にどんな生活が始まるのか、何が起こるのか、そこが分からないから、育児がしんどくなる事が多いと思っています。
産後、家に戻ってからの具体的な仕事をイメージでき、なおかついつでも相談できる態勢を取ってくださる助産院の存在は、今後の日本には必要不可欠と私は言い切れます。
助産師さんは、赤ちゃんの人生も家族の人生にも、その人の生きる力を信じて支えてくれる存在でした。多くの人に助産院で産む良さを知っていただき、自分の力で産む力を育める時代になることを願っています。

広島こそだて未来会議メンバー 片元友紀

「おっぱいって、勝手に出るものだと思ってた…」

これが、出産後におっぱいが出なくて悩む私の、本当に正直な感想です。目の前にいる息子が、お腹を空かせて泣いているのに、授乳をしても量が足りない。体重を測るたびになかなか増えない姿を目の当たりにして、とても悲しい気持ちになっていました。

そんな中、助産院で出産をした私は、助産師さんにたくさん助けてもらいました。 私が出産した助産院は、まだ設立したてではありましたがベテランの助産師さんが運営するデイケアサービスを併設した施設で、とても賑やかな場所でもありました。

入院中、私の布団の横にある育児書を見ながら
「初めてのお子さんで心配な気持ちは分かるよ。その中でも少しずつ育児を楽しめたらいいね。」
と声をかけてくれて、寝不足の私が安心して眠れるように一番奥の部屋にしてくれて、その間息子を長時間抱っこしてくれたこと。
授乳でしんどい中で、自分の母としてのちっぽけなプライドが崩れ落ちそうな時、デイケアサービスに来ているお年寄りの腕の中で眠る息子を見せてくれて 「ほら、あなたが産んでくれた息子ちゃんを抱っこして、お年寄りがみんな笑っているでしょ。幸せそうでしょ。すごいことだよね。」
と自信をつなぎとめてくれたこと。
「この献立はね、おうちに帰っても実践できるからね。レシピを渡すから美味しかったら試してみてね。」
と産後の体に必要な栄養を考えた美味しい料理を毎食作ってくれて、入院後の私の生活を気遣ってくれたこと。
「もしかしたらね、おっぱいも準備しているかもしれないから私たちも出来るだけ体の準備はしておこうね。」
とおっぱいのマッサージを念入りにしてくれたり、いい香りのする入浴剤の入ったお風呂にゆっくり浸からせてくれたこと。

分厚い育児書には書いていない、私をしっかり見てくれて私のことをしっかり考えてくれていたからこそのきめ細かい言葉や気遣いで、何度助けられたかわかりません。

結局産後の入院中で妊娠してからあんなに読んでいた育児書を開くことはあまりなく、目の前の息子と私自身の体の変化を助産師さんに相談しながら毎日は進み、 “こうしなきゃいけない…”“こんくらいやるべきだ…”と思っていた考えが “絶対母乳で、って思っていたけど、ミルクでもいいか…” “私の自己満足よりも、息子の成長が大切だな…” “ミルクだと、両親や旦那さんにも手伝ってもらえるからいいかも!” なんて少しずつ緩んできた出産5日後に、突然おっぱいが出るようになりました。

出ないことを受け入れ始めていたので、出た時は本当にただただびっくりしたけれど、授乳でお腹いっぱいになり幸せそうな息子の姿を見て、本当に嬉しかったことを今も覚えています。そんな息子は、現在小学5年生になり、小学3年生の弟がいる優しいお兄ちゃんになっています。

子育てって、本当に完璧にはいかない。
むしろ完璧ってなんなんでしょう?

妊娠がわかって、自分の体に命が宿ったことを知った時、“この命を守らなきゃ”ってとても責任感が芽生えることだと思います。そしてそこで自分の思い描いた完璧を求めるんですよね。

助産師さんは、その完璧を少しずつ緩めてくれて、選択肢をたくさん与えてくれる存在だと思っています。

自分なりの理想があるのは悪いことじゃない。 でも、その中でも体力的にできることとできないことがあったり、ネットや本の中の当たり前を自分に当てはめてしまったりして苦しくなっちゃう時は、ぜひ助産師さんに話を聞いてもらって少しだけ自分を大切にしてあげてください。
経験と知識に裏打ちされたアドバイスは、きっとあなたに選択肢と心の余裕を作ってくれると思います。